おれのミステリ好きを決定づけた一冊。
文庫版:裏表紙あらすじ
雪に閉ざされた山荘。ある夜、そこに集められたUFO研究家、スターウォッチャー、売れっ子女流作家など、一癖も二癖もある人物たち。交通が遮断され、電気も電話も通じていない陸の孤島で次々と起きる殺人事件……。果たして犯人は誰なのか!? あくまでもフェアに、読者に真っ向勝負を挑む本格長編推理。
上京してから電車の中で本を読むことが増えてきて、特別ジャンルも絞らずに、だだ広く浅い読書をしていた。
だけどこの作品の後から、明らかにミステリへの偏りが大きくなったと思っている。もう何冊くらいかその後押しがあったような気がするけど、すぐ思い出されるのは 島田荘司 著『占星術殺人事件』かなあ。
とにかくこの本がおれに与えた影響は「やられた……」っていう驚きとも悔しさとも取れない、ただただ興奮冷めやらない感情を味わったこと。人間、いろんな感情がまだまだあるんだなとも思ったし、これは病みつきになると思ったら、やっぱりなった。
実際、この作品のある事実を知ったあとは、特段読み返すこともなくて、内容の完成度自体は低いと評価されている面もあるようだ。
それこそミステリを千差万別読んでいる猛者が、のっぴきならない理由をもって百冊目の順番待ちとなってしまった本書を手に取ってしまうのなら、もしかしたらお勧めしないのかもしれない。
あらすじにもある通り、この作品はすべて「フェア」、だけれども最後には「やられた……」と呟いているはず! これからミステリのとっ掛かりを探している人は、先入観を持たずあなたのロジカルシンキングで山荘の謎に挑んでみるとよいだろう。
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2018.11.28 14:17