「やつは我輩が育てた」と言いたかった師走の部屋(6℃)
どうも皆さんこんばんは!
最近関東の冷え込みが更に強くなり、明朝の部屋が冷蔵庫で永久にコールドスリープしそうな筆者です。身体が冷たくなりすぎて「今は……西暦、何年……?」と呟きながら起きることがマイブームです。
さて、いよいよをもってして、2018年もとい平成30年も終わりを迎えようとしていますね。かくいう筆者も、勤め先がやや特殊な業務形態のため昨日をもって仕事納めとなりました。冬場はとにかく拘束時間が長いため、今日から久しぶりにブログも更新でき、嬉しいことこの上ありません。嗚呼、このまま一生休みたい。
閑話休題。
冒頭で声高々に言いたかったこと、それは漫画についてなんですよ(分かるかボケェ)。
12月半ばに宝島社が主催している≪このマンガがすごい!≫の2018年ランキングが発表されました。一企業が発表しているランキングに左右される軟な漫画フリークは僕の周りにいないのですが、やっぱりそういったランキングが世間の時流を少なからず表しているのであれば気になるものです。
結論から言います。
個人的に思うのは「漫画の内容よりも、議論の的は順位にある」ということです。
どういうことか少しだけ説明させてください。
このランキングのオトコ編で見事一位に輝いた作品が大黒正数 著『天国大魔境』という現代SF漫画です。既一巻。
……
一巻?!
一巻ってなりません??!?
下記URLに石黒先生のインタビュー記事をリンクしておきますが、今回の一位受賞に対する僕の「?」は、すべてはそこに集約されていると思います。
「評価を下すのが早すぎる!」
僕も心からそう思います。本作品は本当に「あなたを昂らせるなにかがありましたか?」と聞きたいのです。
昨年に連載が終了した『それでも町は廻っている』は、10年以上も誌面に載り続けました。一話完結が基本の日常系の作品で、時系列はばらばら、ミステリやホラー、恋愛、家族、得意なSFの要素など、ありとあらゆるテーマを扱いながらも、一つ一つが完成度の高い連作短編の傑作です。
他の短編集もどれもが代表作として名を連ねていて、つまり著者が短編の名手であることを如実にしているわけです。そんな人間が恐らく初の長編物に挑もうとしている中で、既に出ている『天国大魔境』の第一巻は、まだ「面白い」とも「面白くない」とも言えないと僕は思っています。
いえ、むしろ、僕に忌憚のない評価が許されるのであれば、著者を図るる最大の指標はこれまでの著作たちと比べられることが道理なわけです。『それ町』や『ネムルバカ』『外天楼』と比べるのであれば、面白くない、はずだと僕は思います。
ですがやはりそれは乱暴な評価です。石黒先生もインタビューで答えていましたが「“読み切り”の品質を維持したまま‟長編”にしてこい」なんていうオーダーは無理難題なわけです。短編は短編の筋があって、読みやすさや分かりやすさが意識される反面、物語の深さを出しにくいはずです。
長編はそういう物語の深淵を出すための準備や複線、時には横道にそれる話もあるはずで、それだけを切り取って「面白い」とか「面白くない」という批評の土俵にあげるのは、いささか早漏性急すぎやしないかと筆者は思うわけです。
小難しいことを書きましたが、言いたいことは一つ――
「おれが育てた」って言いたいだけだろ、宝島社さんよお!!!!!
石黒先生が面白くないわけないだろがああくぁwせdrftgyふじこ
取り乱しました。ストゼロ飲んで落ち着きました。
しかしねえ!!!
本っっっっ当に時間がないと思いませんか?! 人生に時間がありませんよ!
皆さん、本屋に行ってみてください。傑作駄作、ありとあらゆる人間の創造物が、僕らが生きる一日ごとに生み出されているんですよ。僕はそのすべてを理解できないことが、とてもとても悔しい。アニメも観たいし、ゲームもしたいし、映画館でもTSUTAYAでも、博物館でも美術館でも、僕を昂らせる目に見えない感情に出会い続けたい。もし手をかざしただけでその作品の内容を理解できる能力があるならば、すべてを投げうってでも欲しいと思います。
有限の人生に、僕はなにと出会て、そしてなにを残せるでしょうか。
追記
ついでにちょろっと書くのも忍びないんだけど、『ゴールデンゴールド』第五巻、おもしれえ~~~。
正直にいうと、第四巻は「うーん、少し停滞してきたかな」と思っていたのだけど、五巻でちゃんとクォリティを巻き返してきたねえ!
この著者の特筆すべき事実は、人物の「理由づくり」がとっても上手い!!! それをまざまざと見せつけてくれたね。今まではフクノカミの超常現象のお陰で、作品の屋台骨が支えられてきたけど、どうしてもその非現実的要素だけでは感情移入も難しい場面があると思ってたし、中だるみしそうな状況だった。でも五巻では彼ら彼女らが、なぜそうなるのか? という理由づくりがとても丁寧でかつ無駄がなく描かれていました。『刻刻』でもそうだったけど「登場人物が何を考えて行動したのか」という描き方が卓越しているよね、堀尾省太先生は。
しかも今回は少しセンチメンタルでもあるから、そりゃあおじさん泣いたよね。ストゼロが涙腺からほとばしったよね。
ああああああああああああああおばさああああん、焼うどん作ってくれええええええ、ああああああああああ!!!!!!!!(死)
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