漫画『映像研には手を出すな!』 第4巻

TVアニメ化 決定

監督:湯浅政明



大童澄瞳 Twitterより


 これほどまでに嬉しいキャスティングはない! 大好きな作品が、とても尊敬している監督に映像化されるとは……第4巻に巻き付いていたこの告知の帯をみた瞬間、僕はまだ死ねない理由が増えたのだ。


 アニメ制作をやりたい女子高生たちが、数々の産みの苦しみを味わいながらも、真っ向にぶつかっていく! 

 まるでスポ根!? のようにも思える内容だけれど、どこか間抜け、でもやっぱり真剣な青春創造漫画。アニメってやっぱりいいなあ、と月並みな感想がついて出る。そういう作品だ。



 この作品のキーワードに「最強の世界」がある。

 主人公の浅草みどりは、とにかく設定が大好きな性格なのだ。


「私の考えた最強の世界。それを描くために私は絵を描いているので設定が命なんです。」 浅草みどり


 漫画を読み進めて数10ページ、すごい現象が起きる。上記のような台詞があるくらい浅草氏は設定にこだわるのだが、その説明をしている最中、世界観が前触れなく彼女の創造に呑み込まれているのだ。リアルとバーチャルが交錯する様に僕は気持ちよく打ちのめされる。



 映像研の一人水崎ツバメは、アニメを作りたいのではなく“アニメーション”をやりたい女子高生である。僕は第2巻で彼女が発した台詞を読めただけで、この作品に出会えた意味があると思った。


「どこの誰だか知らないけど、アンタのこだわりは私に通じたぞ!!って。」「私はチェーンソーの刃が跳ねる様子を観たいし、そのこだわりで私は生き延びる。大半の人が細部を見なくても、私は私を救わなくちゃいけないんだ。」

「動きの一つ一つに感動する人に、私はここにいるって、言わなくちゃいけないんだ。」



 水崎ツバメ


 この作品のアニメ化こそ、ひょうたんから出た駒、みたいな話はない。アニメを作るアニメってとても難しいし、『映像研には手を出すな!』のこだわりを湯浅さんがどう活かすのか。それだけが楽しみである。


1コメント

  • 1000 / 1000

  • まるzombie

    2019.06.23 13:19

    楽しそうなものが始まりそうですなー